減塩大作戦

減塩に難しい工夫は要りません。

成人が一日に必要な塩分は食塩換算で1gと言われています。この程度の塩分は食品そのものに含まれてますから、調味料による味付けは生命維持には不要です。よって指導も至ってシンプル「塩や醤油などの調味料を一切使わなければいいのです」

....と書くのは簡単ですが、これはあくまでも理屈の話。大体、塩抜き料理が食えますか? 私にゃとても無理だし、あなたもそうでしょ。というわけで、減塩のあれこれ、ノウハウのノウを少し書いてみました。薄味にするだけで10gぐらいまでは減らせるようですが、ここではその上を目指します。何たって「大」作戦ですからね。

問題は食塩「濃度」ではなくて「摂取量」です。だから、味だけでなくて「量」も意識、あるいは我慢しなければなりません。早い話、味噌汁を2倍に薄めて薄味に耐えても、これを2杯飲めば摂取塩分量は濃いのを1杯飲むのと変わりません。ラーメンもそう。スープの塩味が濃いからとお湯で薄めても、薄めた分まで全部飲めば同じことです。むしろ、味は濃いままにしておいて、そのかわり麺と具を食べたらスープは潔く諦める方が、楽しく減塩できるかもしれません。

塩分の特別多い食品を知り、我慢しましょう。もともと塩辛い漬物やタラコなど(梅干し1個には2g程度、タラコ一腹にはなんと5.3gの塩分が含まれます)はもちろんですが、以外と気づかれないのが「加工食品」です。特に水産練製品には要注意で、竹輪1本に3g、蒲鉾2切れに1.3gといった具合です。例えば蒲鉾だったら、板ワサの醤油を我慢するより食べるのを1枚減らす方が減塩になるくらいです。それから無視できないのが乾麺。汁はもちろんですが、麺そのものの塩分も100gあたり3gと他の食品よりかなり多めです。

調味料では塩、醤油、味噌のビッグ3の他、スープの素とかルーやソースにも塩はバッチリ入っています。醤油では、薄口(小さじ1杯あたり1g)、濃口(小さじ1杯0.9g)、減塩(小さじ1杯あたり0.5g)の順に塩分が少なくなります。ソースの中ではウスターソース(小さじ1杯0.4~0.5g)の方が中濃とか濃厚(共に小さじ1杯で0.3g)よりも塩分が多いです。だんだんマニアックになってきましたので、このへんで。

う~ん、なかなか大変そうだ。そのとおり。で、どうします?
「食卓には塩や醤油を置かないようにする」いい考えです。今からでも実行できますね。
「減塩は難しいから程々にして、まずは禁煙する」これも悪くないアイディアですね。


「くらしと医療」1998年10月号


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