院内報一面紹介(抜粋)



木暮正美



健康って何でしょう?〜その5〜

 今まで「健康について」、考えましょうと何回かにわたって書いてきました。当然結論は簡単にはでませんが、考えてみるだけでも意味はあると思います。前回で、養生訓について現代に通用する養生訓はなかなか見つからないと書きましたが、いま興味をもっているのがインドのアーユルヴェータです。最近は皆さんも接する機会が増えていると思いますが、このなかに現代でも通用する生活の知恵が含まれているのではないかと思います。
 今回はその中からとても簡単に健康を手に入れることの出来る方法を一つ紹介します。それは「白湯健康法」です。
 現代人は様々な体の問題を抱えています。多くに共通してみられるのは、内蔵の機能の低下という特徴です。例えば「食べても体重が増えず、体力が付かない」というのは、胃腸の働きが鈍っているのでしょうし、便秘は大腸の機能不全と考えられます。 
 アーユルヴェータでは、こうした状態を「アーマ」(未消化物)が体に溜まっている」と考えます。アーマが体に蓄積される過程はいろいろありますが、一つには冷たいものをとることが良くないとされています。物を消化する時にはアグニとよばれる火の性質をもったものが必要とされますが、冷たいものをとることによって、このアグニが低下してしまうとされています。アーユルヴェータでは食事はなるべく温かい物をとるように勧めていますが、それはこのアグニを低下させないためというのも一つの理由です。
 従って温かいもので水分を補給するのが一番体に良いということで、普段から水分の補給は「白湯」で行うことが、体に無理なく健康的であるというわけです。なぜ、「白湯」かというと、お茶でもよいのですが、とりすぎるとカフェインなどの問題もありますので、「白湯」が一番問題ないでしょう。最近は煎茶以外のハーブやその他のお茶も随分手に入るようになっていますが、それはそれで、またほかに考えなければならない問題がありますので、後のことにしましょう。
 さて、この「白湯」ですが、お湯が沸いてからも約10分くらいは沸騰させた方が良いとされています。出典の根拠はよくわからないのですが、最近の話題で水道水に含まれるトリハロメタン(塩素で消毒するために、少量ですが水道水に含まれます)はお湯を5分間沸騰させるとほとんどなくなるという報告があるようで、古くからインドでトリハロメタンが問題になっているはずもなく、少し不思議な気持ちがします。


1998年 4月発行

(次号につづく)(前号を参照する)